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空の上での話

 
 いつ頃からか、いつの間にか20歳を過ぎてからというもの、高い場所が怖いと感じるようになった。
 世間一般的に言う高所恐怖症というやつなのだが、まさか自分がなるとは思っていなかった。
 高い場所に行って地面を見下ろしたならば血の気が引いて視界が白くなって両手、両足がヒリヒリと痺れてくる。
 なので、地元の海浜公園の観覧車も東京スカイツリーも僕にとっては天国に近い場所なのです。
 人よりも見れる風景に制限があるというのも何とも人生を損したような気持ちもあるのですがどうにも高いところは苦手。
 子供の頃はそんな風に感じたことはなかったのに……。
 
 大人になってから出来なくなることっていうのは、苦手なことに気づいて自覚しただけなんだろうな、とよく思ったりします。
 子供の頃は怖いもの知らず、ある種、団体行動の中であればみんなと一緒に何でも出来てしまっていた気がする。
 東京タワーにだって登れたし、観覧車も平気だった。でも昔からジェットコースターにだけは乗れなかった。今でも梅干しは食べられない。なんか色々です。
 高い所は怖いと、いつ頃からか僕は自覚してしまったのだろうな、とよく考えます。
 今では飛行機もちょっと……。
 
 高校生の頃は修学旅行が生意気にもフランスなんて洒落た所に行きまして、行きと帰り空の上で二泊もしたわけなのですけども、片道十数時間は空の上だったはず。
 なぜ、これ僕が飛行機が駄目かというと、今までに肺気胸という病気に何度もなっていて気圧の変化があるところ、山とか、飛行機とか、とにかく気圧が低そうなところに行くのが自然と気が引けていたということもありました。
 
 そんな僕だったのですが今年の3月に姉の結婚式で沖縄に行くことになりまして、十年ぶりに飛行機に乗ってきました。そして初めて沖縄という土地に足を踏み入れました。
 旅の経験があまりない、自宅が大好きな僕でも、沖縄の海は綺麗だと思ったし、リゾート婚という非日常的なイベントも心が浮つくものでした。
 天気は曇りでしたが式の最中は太陽も顔を出し、うちの姉はなんと運のいいことか。そしてうちの父親はどれだけ晴れ男なのだろうか。
 
 エメラルドグリーンの海を横目にビーチを歩く。
 旅は気持ちを日常から少しはみ出させてくれていい。
 そして沖縄から帰る飛行機の中。
 乗り換えのある神戸空港で行きに買って食べたシューアイスの味が忘れられず、帰りの機内でも買って食べた。
 行きの時は正直気分も悪くなったけれど、帰りはそんなこともなかった。
 なんとなく飛行機は克服できたかも、なんて。
 
 苦手なことなく、制限なく、全てのことが息を吸うみたいに出来たらなんてよく考えるけど、そんなことは無理で、取り敢えず飛行機に何事もなく乗れたことが想像以上に嬉しかった。
 足を伸ばせる先が広がった気がした。
 また少しだけ遠いどこかに行ってみたい。
 
 
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湯ノ浦ユウ

Author:湯ノ浦ユウ
小説家。ネット詩人。新刊「LOST×LOST×LOST 」コミティア等で頒布中。合同誌「ユニゾン」を企画。お仕事のご相談お気軽にどうぞ。https://twitter.com/yunourayou
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